これまで「感染管理認定看護師」として、病院や地域に対して感染対策の教育や指導、相談からマニュアルの整備といった役割を担ってきました。トラブルが起こったときに行動の指針となるマニュアルは、とても重要な役割を果たします。しかし、私自身の経験を照らし合わせてみても、現場ではマニュアル通りにいくことばかりではありません。通り一辺倒の方法では、一人ひとりの患者さんに寄り添えないことも理解しています。 そんな中で大きくなってきたのが、「さまざまなリスクに対応しながら、患者さんの背景や現状に合わせた対策を現場と一緒になって提案していきたい」「感染管理を専門にしてきた自分だからこそできることが、もっとあるはず」という思いでした。そこで感染に関する特定行為研修を受け、現場の看護師をサポートするための活動をはじめました。感染症は日々新しいものが出てくるので、自分自身の知識をアップデートしていくのは大変です。しかし現場の看護師たちは、私を感染管理の専門家として頼ってきてくれます。その責任をきちんと果たし、患者さんの「治療」と「生活」を支えられるよう、これからも頑張っていきたいと思います。